ま総研2000(まどの総合研究所ver.5.1)

みんながみんなその物事に興味があると思っちゃいけないよという精神で綴る備忘録

嘘の二重底とそこから派生する問題を考えてみようの回 ぼんやり整理編 窓野総研 第100回

   

ケース1
例えば、RさんとGさんとTさんがいるとして…

Rさんは、自らが所有するお宝を持ってきて、Gさんにこうリクエストした。
「しばらく他の場所に出かけます。もしかしたら、お宝を盗みに来る人がいるかもしれない。なので、私が帰ってくるまでこのお宝を盗られないように見張っておいてね」
頼まれたGさんは、そのお宝のガード役として見張りはじめた。

ここでお宝を盗む目的でやってきたシーフ役のTさんが、ガード役のGさんがトイレに行っている間に、そのお宝を盗んだ。
この後、Rさんが帰ってきて、お宝が盗まれたことがわかったところでGさんに問い詰めた。
「あれほど見張っておいてねと言っていたのに、なんで盗まれたの?」
ここで、Gさんは、適当に嘘をついてみた。
「太陽が眩しかったから」
「なーにいっとるんだ。この文学崩れが。本当のことを言いなさい」
「すいません、私がトイレに行っている間に盗まれました」
「なんだとー!」

真実に対して、嘘1つで隠そうとして、その嘘がまんまとバレて、Gさんが本当のことを言った。ただ、それだけの話である。

ケース2
例えば、RさんとLさんとBさんがいるとして…

Rさんは、自らが所有するお宝を持ってきて、Lさんにこうリクエストした。
「しばらく他の場所に出かけます。もしかしたら、お宝を盗みに来る人がいるかもしれない。なので、私が帰ってくるまでこのお宝を盗られないように見張っておいてね」
頼まれたLさんは、そのお宝の守り役として見張りはじめた。

ここでお宝を盗む目的でやってきたBさんが、Lさんに近づいてこうささやいた。
「このお宝が欲しいんだけどね。今すぐちょっとしたお礼をあげるから、しばらくトイレに行ってきてよ」
BさんはLさんを買収(バイ)したことになる。これにより、Lさんはちょっとしたお礼を貰った。そして、LさんがBさんの指示通りにトイレに行っている間に、Bさんがそのお宝を盗った。

この後、Rさんが帰ってきて、お宝が盗まれたことがわかったところでLさんに問い詰めた。
「あれほど見張っておいてねと言っていたのに、なんで盗まれたの?」
そして、Lさんは、適当に嘘(ライ)をついてみた。それもバレバレの嘘をついてみた。
「太陽が眩しかったから」
「なーにいっとるんだ。この文学崩れが。本当のことを言いなさい」
「すいません、私がトイレに行っている間に盗まれました」
「なんだとー!」

本当は、Bさんに買収されたことが原因で、わざわざトイレに行って、盗ませる隙を作ったのだけれども、Rさんは、隠したい事実に対しての嘘をついていたと判断した。

よって、Rさんは、トイレに行っていたというLさんの純粋な失策により、お宝を盗まれたと判断した。一方、Lさんにとっては、1つの真実に対して、嘘を1個分と、嘘は言っていないけれども核心部分は言っていないという1個分を対応させることで、核心部分を隠すことが出来たことになる。

いわば、二重底の下の真実を隠すことができたということになる。

ここまでを、Bさん視点でちょっとした図にしてみると、こんな図になる。

二重底の図1
図1.直下にある真実の構造と、二重底の真実の構造

ケース3
例えば、DさんとLさんとTさんがいるとして…

Dさんは、自らが所有するお宝を持ってきて、Gさんにこう頼んだ。
「しばらく他の場所に出かけます。もしかしたら、お宝を盗みに来る人がいるかもしれない。なので、私が帰ってくるまでこのお宝を盗られないように見張っておいてね」
頼まれたGさんは、そのお宝のガード役として見張りはじめた。

ここでお宝を盗む目的でやってきたシーフ役のTさんが、ガード役のGさんがトイレに行っている間に、そのお宝を盗んだ。
この後、Rさんが帰ってきて、お宝が盗まれたことがわかったところでGさんに問い詰めた。
「あれほど見張っておいてねと言っていたのに、なんで盗まれたの?」
ここで、Gさんは、適当に嘘をついてみた。
「太陽が眩しかったから」
「なーにいっとるんだ。この文学崩れが。本当のことを言いなさい」
「すいません、私がトイレに行っている間に盗まれました」

ここでDさんは、Gさんの発言を疑った(ダウト!)。
「いや、嘘だろ、本当は盗んだ奴に買収されたりでもしたんだろう。グルだったりするんだろう!どうなんだ!」
「ちがいますよー、信じてくださいよー」

Dさんは、二重底の真実があると思い込んで、Gさんを攻め立てたわけだ。単にGさんの失策が原因なのに。

これをDさん視点でみると、こんな図になる。

二重底の図2
図2.本当の構造と、勘違いしている構造

図1は、よく嘘をつく人がやりそうなテクニックにまんまと騙される構図で、図2は、そのテクニックを分かっていて疑ってみたのものの、実は二重底なんてなかったという構図になる。

でもね。実際にRさんやDさんの立場になったとして、実際に、バレバレの嘘をつかれて即座に暴いてみた段階では、残りの真実が本当にあるのかないのかという判断はつかない。

そこで重要になってくるのは、それに対する情報集めだったり、裏取りだったり、調査だったりする。

例えば、今回のケース2や3の場合は、GさんやLさんに対する身辺調査をして、Bさんから買収を受けていたことを見つけることができれば、そこからたどって行けば、残りの真実があるとすることができる。

じゃあ、Bさんの存在が把握できなかった場合どうするのか。こういう場合は、本来、隠れた真実があると言っている人間の方が証拠を出さないといけない。

なので、証拠を出していない状況で隠れた真実があるって言ってしまうのは、アンフェアだよねーってことになる。

二重底の図3
図3.残りの真実があると思う人がやるべきこと

とはいえ、色々なことを疑えば疑うほど、こういうのって陥りがちだよねーと思うのもまた事実。だって、調べるのって面倒くさいんだもの。面倒だから、もう隠された事実っていうのが、あったことにしちゃえって思うことは多々あるもの。

これが単に個人レベルだったら、戯言ですむけれど、もう少し規模が大きくなって、他を巻き込むようになっちゃうと、ちょっとダメだよねと思うけれども。

 - 窓野総研