ごちゃまぜ統計入門

第1章:視聴率?何それ食べられるの?

2.たかだか600世帯から出た数字って意味あるの?

ところで、「視聴率40%」って言われても、何をもって40%っていっているのさ? という疑問が沸いてくる。視聴率調査は、ビデオリサーチ社なるところが、関東・名古屋・関西などの地区ごとに、200~600世帯に対して調査しているそうな。そういえば、ニールセンっていうのもあったけれど、いつの間にか日本から撤退したよねえ。ちなみに、関東エリアでは600世帯に対して調査しているようである。ちなみに、よく全国ネットで、視聴率うんぬんのトークが出てくるときは、だいたい関東の視聴率を言っているわけだ。結局、地方の意向なんて無視なんだよ、あいつらは。

そのエピソードの例としては、NHKの朝ドラマのちりとてちんは、他のエリアは総じて数字が高かったのに、関東だけが低くて、視聴率が低いなんて言われるという、結構なとんちんかんな話になっていたことがあったなあ。で、DVDを売り出したら「そ・こ・ぬ・け・に」バカ売れして、関東基準で視聴率を叫ぶことが、心の底からアホらしいよねと思ったものだった。まあ、関東エリアの市場規模がでかいという事情があるんだけど、こんなもん一極集中の弊害だろうに。

だいたい、この手の一極集中の最たるものは、よくニュースで首都圏が災害に襲われた場合のシミュレーション結果が出ましたみたいなことが報じられるけれど、結局、結果が出たと言うだけで、万が一こういうことが起こったら困るから、首都機能を分散させましょうとか首都を移転しましょうっていう話にはならないというのが、非常にバカバカしいわけである。何のためにデータを出しているのかという点において、全く意味を成さないものになってしまっているのである。銭の無駄である。えーと、この話は、また気が向いたときに。

話を戻して、関東エリアにおいて、600世帯のうちの240世帯が、年末に「魔法のレストラン見ました」じゃなくて、「紅白見ました」となれば、 240/600=40% となり、「視聴率40%」ということになる。でもさあ、関東地区の一都六県(総世帯数はだいたい1700万世帯ぐらい)を考えると、 たかだか600世帯のなかで、40%が見ていたことが、そのまま、関東で40%(真の視聴率)っていうのは、無理があるんじゃないの? と思うのはごくごく自然なことである。

意地悪な見方をすると、紅白を見ていたのが、240世帯だけで、関東エリアの他の世帯全員が、例えば、ガキ使スペシャルだとかを見ていた場合、紅白の真の視聴率は限りなくゼロに近いことになるわけでしょ。600世帯の調査結果と真の視聴率との差がでかくなるってことはないのかねえということになる。そんなの意味あるの?

(2009年8月2日更新 ver1.0)


解説


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